こんにちは、Artsanpoponです

アート隔離に負けない!シリーズ5回目です。

今回は、2020年3月22日に行った「3331 ART FAIR 2020」の屋上展示、『The Struggle for Tomorrow』についてです。
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こちらの展示は、インディペンデント・キュレーターの青木彬さんキュレーションで、6名の作家の作品が3331の屋上に展示されていました。私は、3名の作家の方が在廊されていて、それぞれの方とお話しすることができました。
 
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一人目の作家、中島晴矢さんは、美術家・ラッパー・ライターの顔を持つ方です。会場では、出張「喫茶野ざらし」の中で、味しいコーヒーを淹れていました。「喫茶野ざらし」は墨田区にある、アート・福祉・農業の文化交流拠点を目指して作られたスペースで、ちょうど5月8日に目標金額200万円のクラウドファンディングを達成した注目の場所です。(https://readyfor.jp/projects/cafe-nozarashi)本展覧会には、墨田のお店の出張版という形で、「コーヒーを淹れる」パフォーマンスを会期中行っていました。美味しいコーヒーのせいなのか、中島さんの人柄がなせる技なのか、常に誰かが中島さんの前にある椅子に座ってゆっくりしている姿が印象的でした。

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二人目の作家、今井さつきさんは、鑑賞者が作品に関与することのできる「体験型」の作品を制作している方です。今回は、鑑賞者の方と一緒に”マスク"を作る企画をしていました。但し、ただ一緒にマスクを作るのではなく、鑑賞者の方が、今までお世話になった人や、会いたくても現状会いに行けない人を表した写真を選び取り、その写真を使って今井さんがマスクを作ってくれるというものでした。今井さんは、マスクを作っている最中、その写真にまつわる話を鑑賞者の方にあれこれ伺いながら手を動かされていて、今までの普通が普通ではなくなってしまった今、多くの方と対話を深められていました。
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三人目の作家、光岡 幸一さんは、アートセンターを作るプロジェクトを始めた方です。昔、建築の勉強もされていたそうですが、とても人懐っこい感じが印象的で、自分の作品の周りでウクレレを奏でたり、凧揚げをされていました。本展では、都内某所に自ら作った秘密基地的なTAMA ART CENTERである「あっち」を、
写真を使ったインスタレーションを通じて、今私たちがいる「こっち」から想像する展示でした。ホームレスの方々が身軽に住処を変えていくさまを間近で見たり聞いたりした話を光岡さんが教えてくれました。
 
最後に、展覧会のキャプションを以下に引用します。

「The Struggle for Tomorrow」 
今、創造の喜びや苦渋、そして名指すこともできない感情を通して、抗わなければならないものがある。それは声を上げることで。些細な工作を通じて。境界を越えることで。素材を変容させることで。自らの選択によってあらゆる状況を変化させることが求められている。 アートフェアという場で行われる「購入」は決して「所有」に還元されるものではなく、「未来へ向けた振る舞いへの加担」とも言えるだろう。「The Struggle for Tomorrow」は明日を共につくるための場所である。

青木彬さんのインタビュー動画
中島晴矢さんのインタビュー動画
 
今井さつきさんのインタビュー動画
 
光岡 幸一さんのインタビュー動画
  
 
では、では

【展覧会概要】*Artsanpopon訪問日:2020年3月22
■名称:The Struggle for Tomorrow(3331 ART FAIR 2020 屋上展示) 
■会期:2020年3月18日〜22日
■会場:  3331 Arts Chiyoda(東京都千代田区外神田6-11-14)
■参加作家:今井さつき、遠藤薫、齋藤恵汰、佐藤研吾、中島晴矢、光岡幸一
■サイト: https://artfair.3331.jp