こんにちは、Artsanpoponです

アート隔離に負けない!シリーズ1回目です。

今回は、2020年3月24日に行った「アーツさいたま・きたまちフェスタ Vol.6 “ASK6”  〜規制に奇正ーサイタマにオクタマ〜」についてです。都内から二時間くらいかけて電車で向かいました。途中乗り換え電車を間違えてしまい、バスに乗って、やっとこさ到着かと思いきや、プラザノース内で迷子になってしまいました。
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本展示は、本来ならば「さいたま国際芸術祭2020-Art Sightama‐」と同時開催予定だったようですが、新型コロナウィルスの影響でさいたま国際芸術祭が開催延期。そのため単独で開催し、展示規模縮小、パフォーマンスやワークショップに関しては中止の上での開催でした。また、入場制限を行い、入り口ではマスクを配布、消毒液で手を除菌後に入場可能の対応を取っていました。

ただ、こちらの展示、びっくりするくらい面白かったです!!!!縁も遥々行ってみて、本当に良かったです。会場の空間は"一般的な空間"だったのですが、会場を薄暗くした上で、所々に市川平さんによって調整された照明が散りばめられていました。作品数は多めだったのですが、作品同士が喧嘩し合うことなく、作品同士の調和を感じることができました。会場内では、ハプニング的にパフォーマンスが繰り広げられており、それも一鑑賞者として楽しめた理由だったと思います。そしてこんなご時世だったこそ、パフォーマーと鑑賞者の距離もきちんと設計されていて、けどそのやり方が私にはとても新鮮でした。

以下に、特に興味深かったパフォーマンスを含むを作品3点をご紹介します。

1)『 Dancer beyond the showcase』 by 阿目 虎南
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入口を入ってすぐ右に、壁面展示ケースがありそちらが阿目さん展示スペースでした。展示ケースの中は、ドローイングや、仮面、写真、置物、ズラ?、本といったあらゆるものが配置されていました。さながら散らかったお部屋の中のような体裁で、しばらくケースに近づいて配置されたものをみていると、展示ケースの空間に人が入ってきました。そう、作家の阿目さんがゆら〜り、ゆらりと行ったり来たり始めたのです。展示ケースはマジックミラーになっているわけではないので、私のことは見えているはずなのでが、ご自身の世界で動いている様子が、とても美しく、そして奇妙で、不思議な気持ちでしばらくの間、見入ってしまいました。

2)『石を落とす』 by 佐塚 真啓
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メイン会場から離れた野外に展示されていたこちらの作品。謎のトラックと、謎のブルーシートがかかった箱のようなもの。そしてその上には謎にロープに繋がれた大きな石。ん?と思ってみていると、徐に若者がなにやら動き出し、トラックに近づきゴソゴソと動き出しました。そして、私にブルーシートから少し離れるようにと促したかと思うと、ロープをカット!石がバチャーンっと、ブルーシートの中に落ち、水が辺り一面に飛び散りました。

「え笑?」と思い、作家の佐塚さんに作品に関して伺ったところ、「いや、時折川縁で過ごす時間があるんですが、その時、子供のころやっていた遊びをするんですよ。石を水面に投げ入れて、何回石が飛び跳ねるか、みたいな。けどそれをしばらくすると飽きてきて、そんな時に大きい石を思いっきり水の中に落として遊んだんです。その石を投げ入れた時の水しぶきが美しくて。その美しい自然の美を表現したくて、この作品を作ってみたんです」と。

動画はこちらをご覧ください:

3)『ラッパー沿線』 by shin-sei
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薄暗い会場では、映像作品もとても鑑賞しやすく設置されていました。そして、これまた突然ライトが激しく点滅し出したかと思うと、これまた展示ケースの中でラップが始まりました。展覧会で音楽を聞くってことが今までなかったので、新鮮だったのはもちろんですが、徐々にライブなども制限されている現在、演者がケースの中に入って隔離した上で鑑賞者の前に立つということが、興味深かったです。

最後に、展示会場で配布していたチラシに記載されていた佐塚さんのメッセージをご紹介します。とても心に響く言葉だと思います。

「規制に奇正~サイタマにオクタマ」 この世界は豊かさに満ちている。 しかし、何か問題が起きる。すると、それを防ぐため「規制」が設けられる。そんな事が過剰に繰り返されている昨今。本来「規制」とは、集団において問題が起きないように、願いながら紡がれた文言。そんな集団の願いだったのかもしれない。しかし、独り歩きしてしまった「規制」は、どんどん、どんどん個の豊かな思いや行動を制限する。そして、ふと気が付いた時には、問題の本質とは何だったのか、集団もすっかり失念し、力ある者が「規制」を振り回して、この世界は単調に、そして萎縮し、小さく小さく閉じていく。そんな恐ろしい物語が、今この世界には満ちている。 そんな世界でどう戦っていくのか。そこで、この展覧会の企画者である飯島浩二が掲げたのが「奇正」という言葉である。「奇正」とは、[奇略を用いる方法と正道をいく方法。兵法における奇襲戦法と正面攻撃。]を意味する。総合格闘家としても活躍する飯島が思い描く、こんな世界での戦い方とは、どんなものなのか。 物事に、真正面から向かい合ってぶつかって、そして砕け散るのも一興。物事が寝静まった時に回り込んでぶつかって、そして返り討ちにあうのも、また一興。そうやすやすと「規制」は揺るがない。しかし、文言で雁字搦めになった社会にどう「奇正」を仕掛けて、どう解きほぐし、どう豊かな世界を再び築いていくのか、挑む。 私は「美術」を、世界を豊かにする「術」と考えている。「豊かさ」とは単調ではない多種多様な物事を包み込む状態を指す言葉である。この世界に再び「豊かさ」を獲得するため、サイタマで、オクタマで活動する者が集い、今回の展覧会が行われる。 さて、どんな「奇正」な「美術」が為しうるか。 (国立奥多摩美術館 佐塚真啓)

では、では

【展覧会概要】*Artsanpopon訪問日:2020年3月24日
■名称: アーツさいたま・きたまちフェスタ Vol.6 “ASK6”  〜規制に奇正ーサイタマにオクタマ〜
■会期: 2020年3月19日(木) ~ 24日(火)  
■会場: プラザノース(メイン会場) ノースギャラリー1、2、3、4、5、6、7 
      ステラタウン屋外大階段下  
■入場料: 入場無料  
■展覧会予定参加作家: 阿目虎南、shin-sei、飯島浩二、五十嵐茂、市川平、小鷹拓郎、佐塚真啓、敷地理、永畑智大、古屋崇久、和田昌宏