こんにちは、あーとさんぽぽん(Artsanpopon)です

今年イチバンの衝撃展、と言わざるを得ない展示
 
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5月の土日のみOPEN。もはや何年か後に伝説的な展示になるんじゃないか、ってくらい印象深かったです。展示会場である「国立奥多摩美術館 The National Museum of Art, Okutama(MOAO)」は、新宿駅から電車に揺られること約2時間の軍畑駅から徒歩10分のところにある、空気の美味しい、自然豊かな道に突如現れるスペースです。


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残念ながら既に展示は終わってしまったので、ネタバレ承知で展示内容をご紹介すると、、、


入館料を支払い、書類にサイン_φ(・_・
その後クジを引くと、素敵な木片の絵がプリントされたエコバックを渡されて喜んでいると不意に、「こちらへどうぞ」と謎の真っ暗な小屋に誘導され、
「あまり奥の方まで行かれると穴がありますので、お足元お気を付けください」と言われ、暗闇に目が慣れてない私はオドオド。
すると急に目の前に豆球が点り、その下に人が出現。
一瞬、3Dの人型の映像が投影されたのかと思い、虚ろに眺めていると、いや、生身の人間だ!と気がつく。すると次の瞬間、体の底からの声を張り上げた生歌スタート。
韻を踏んだラップに唖然。
お召し物が空間にマッチしすぎていたので、霊でもみているかのような錯覚を覚え、
キツネにつままれた感覚で生歌後もぼけっと座ったままでいると、「あ、終わりです」と言われ現実世界に引き戻される。
フラつきながら小屋を出てるも、まだ明るさのギャップに視界が定まらない私。と、思いきや、先ほどの声の主、佐塚さんが背後から登場(笑)
暗闇の中では異人感半端なかっただけあり、余韻が抜けない間に「あ、ありがとうございました」と佐塚さん。吹き出してしまいました‥笑。


展示作品は、奥多摩美術館のfacebookを引用させて頂くと、、
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●木片5点。どこかで拾ってきたり買ってきた物。
「登り龍型木片・火焔型木片・達磨型木片・ひも型木片・角型木片」
●カナヅチの絵30点。
●ひもの絵13点。「風がふけばほどける」
額装し、6点はコンパネ壁に展示、もう7点は坂道途中に展示。
●ひもの立体2点。1点は地面に、1点は植物の絵の壁に立てかけ。
●石1点。「真弾邪石」10年以上前拾ってきた物。
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という感じで、構成されていました。ドローイングから、巨大な立体、そして冒頭のパフォーマンスと盛り沢山過ぎる展示に、佐塚さんパワーを感じずには入られません。例えば、「ひもの絵」一つにしても、一見プリントかと思ってしまうほど丁寧に描かれていて、彼のデッサン力の高さを垣間見ることができます。そして、こちらの作品は坂の上に展示されていたのですが、坂も佐塚さんお手製とのこと。何でもデキスギ君じゃん!ですよね‥。
 
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「ひもの立体」も、ただただ立ち尽くして見入ってしまいましたが、直前まで作業づくしだったとのお話も理解できる作品でした。
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余談ですが、ドローイングを見ていると、「冷蔵庫に飲み物入っているので、よかったらどうぞ。お菓子もあります」と勧められ、「お代は?」と伺うと、「お気持ちで」との言葉が。いやいやいやいや、入館料飲み物代だけでペイしちゃうじゃん!と佐塚さんの人柄の良さというか独特な雰囲気に目を丸くしていたら(なので、もちろんお気持ちお支払いしました笑)、グッズコーナーに伝説?の『ハッピー超開運 大言霊袋』を発見。「これはなんですか?」と聞くと、「ま、を込めます。1日5個限定です」とのことだったのでこちら、注文させて頂きました笑。も、佐塚さんパワー満載の作品で、目の前で作ってくれたのですが、ごめんなさい、面白くって可笑しくってお腹を抱えて笑ってしまいました。

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1日5個限定の理由は「やりすぎると、声が出なくなるんですよ‥」とのこと笑)いつか一度に10個ぐらいお願いしてみたいですね笑

と、展示内容のご紹介はここまでにして、展示期間外の今になって感想を書いているのですが、展示期間中に紹介してくれないと行けないじゃん、と言われそうですね。でもね、書きたい気持ちはずっと携えていた一方で、Artsanpoponの中で本展を消化するのに正直時間がかかりました。こんなにパワーのある展示ってなかなか出会うことができないと思います。佐塚真啓という等身大の自分をさらけ出す姿は清々しく、一人の人間の底力を感じずに入られませんでした。ご本人に「どうしてひもの絵なの?どうしてひもの立体なの?」ときちんと伺ってないですが、正直どうしてこの展示をしたのかと説明を受けなくても、彼がどんな人間なのか、どんな気持ちで美術に向き合っているのか、これからどうしていきたいのか、みたいなものが言葉ではなく作品全体が訴えかけてくる感じさせる展示だったな、と思います。日常では自分の気持ちを相手に説明するため、意思疎通をするために言葉を使いますが、そんなものは飛び越えて、ぶっ飛んだ展示でした。等身大の自分と向き合う姿勢に勇気をもらいました

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以下、国立奥多摩美術館のHP上にあった佐塚さんのコメントを引用します。
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<展覧会「生きろ②冬はさむい夏はあつい」スタート!>
2018年5月4日、
なんとか、
ついに、
「生きろ②冬はさむい夏はあつい」
スタートすることが出来ました!
4月4日から毎日書こうと決めていた日記も、
4月30日を最後に尻切れトンボ・・。
5月入って、1・2・3日は怒涛の準備作業でした。
まったく余裕の欠片もなく。
日々を記す事、叶わず・・。
というか、自分の段取り力の無さを痛感する3日間でした。
準備最終日5月3日、
ともちゃん、リンリン、ジャモ、山本さん、妹、妻、6人の助っ人参戦。
日付変わっての26時、準備終え、
展覧会初日に突入!
なんとか、なんとか、
ついに展覧会をスタートすることが出来ました!
思えば、去年12月ごろにやろう!と決め、
ふわっと年明けから少しづつ動いてきました。
3月ごろ、ようやく、本当にやるんだ・・
という実感がわいてきて、
本格的にアトリエに入って会場づくりを始めたのが4月4日から。
毎日毎日、
何かを追いかけているのか、
何かに追いかけられているのか、
まったく落ち着かなくって。
そして、魔法のカードで買い物をし続け・・。
絶対におかしな事になっているのに、
「制作だから!」という魔法の呪文を呟きながら、
280円のパークの弁当を毎日のように食べ、
体を動かし、
仲間の力を借り、
全力で突き進んできました・・。
そして、だから、
「この展覧会が、今の僕の全部です・・。」
そう言える展覧会になりました。
あとはお客さんをお待ちするだけ!
昨日で展覧会スタートしての第1週目3日間が終わりました。
3日間、本当に多くの方にお越しいただきました。
本当に本当に感謝です。
昨日でとりあえず、
途切れる事のなかった準備から展覧会スタートの怒涛の日々が一段落、
ほっと一息。
体と心を整え、
また次の12(土)・13(日)に向かいたいと思います。
もし、本当に少しでも気になってくださっていたら、
ぜひ、ぜひ、ぜひ、お越し下さい!
遠いですが・・。
みなさまにお会いできる事、
心から願っております。
お待ちしております~!
(佐塚)
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最後になりますが、佐塚さん、素晴らしくもあり、面白くって可笑しくって、これからも忘れることのない展示をありがとうございました。

では、では
生きろ② 佐塚真啓『冬はさむい夏はあつい』 
場所:国立奥多摩美術館(東京都青梅市二俣尾5-157
会期:2018年 5月4・5・6・12・13・19・20・26・27日