こんにちは、あーとさんぽぽん(Artsanpopon)です

今回は、2018/1/21まで水戸芸術館現代美術センターにて開催中の「LOSE YOUR MIND-ようこそダークなせかいへ」についてです。

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David Shrigley(デイヴィッド・シュリグリー)は、日常の何気ない場面を描写したドローイングをはじめ、剥製を使った彫刻作、アニメーションなど様々な手法でブラックユーモアたっぷりな作品を制作するイギリス人現代美術家です。これまでメキシコ、チリ、韓国、ニュージーランドを巡回してきた本展は、プププ、と笑っちゃうような作品から、考えさせられる作品まで幅広い内容が魅力の企画展でした。

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そこで、私が特に気になった作品3つをご紹介したいと思います。

1)The Spectre(おばけ)
無数の手書きのドローイングが張り巡らされた壁の前に、意味深な展示台が置かれた作品です。
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本作品のタイトルは、ここには展示されていない秘密の彫刻を示しているそうです。本作がミュンヘンの展覧会のために制作された当時、秘密の彫刻は10日間に渡ってギャラリー内の施錠された部屋に置かれ、子供から大人まで様々な人々がスケッチをし、彫刻は撮影が許可されず、その後破棄。そのため、本展で展示されているドローイングのみがその彫刻がどんなものだったのかを伝える媒体であり、作品が存在したことを示す唯一の証拠となったそうです。

最近は何をするかにつけ自分の目にしたものを写真に収める人が、私を含め多いいと思いますが、写真に収めることで得られる情報の限界や、意味について考えさせられました。また、人の記憶は曖昧で、例えば久方ぶりに会った昔の友人と昔の話をしていると、話が噛み合わないことがありますが、過ぎ去ってしまった過去において何が正解で不正解なのかもわからないな、とも思いました。

2)The Artist(アーティスト)
鼻にペンを刺した頭だけのロボットが、ルンバよろしくひたすら大きな紙にやかましく動きながら絵を描いている作品です。その頭だけのロボットがなんとも言ずキモカワなのですが、突然現れたこともあり後ずさりしてしまいました。
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本作品は、紙が真っ黒になるまで描き続ける電動型アーティスト。理性や能動的な意思決定を持たないこのアーティストは脳裏によぎった?ものをひたすら描き続けるそうです。

抽象絵画の巨匠、ジャクソンポロックの作品は一見すると、無秩序に絵の具がキャンパスの上にこれでもか!っと落とされていますが、ポロックによって計算され、描かれているとも言われています。が、私のような素人が彼の作品をみるとき、誰にでも描けるんじゃない?なんて失礼なことが頭をよぎってしまうのも事実。ポロックの作品だけでなく、抽象絵画をみるたびにそんなことを思ってしまうのですが、この電動型アーティスト君の動きをみていると、「絵ってもはやアーティストだけが描くものじゃないんじゃない?いや、むしろ人間だけじゃないかもね」なんて言っているように感じました。

アートって誰ものなんでしょうね。

3)各種アニメーション
1分〜2分くらいのブラックユーモアたっぷりのアニメーションです。以下にリンク貼っておきますので、お時間ある方は見てくだいさい。なんとも言えない気持ちになること間違いなしです笑。

Laundry
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https://www.youtube.com/watch?v=0LKnbI-bNJE&t=21s

The Door
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https://www.youtube.com/watch?v=fNl_Hy27cWQ

New Friends
ちなみに、入り口入ってすぐの会場にはデイヴィッドのドローイングが壁一面に貼られていたのですが、これまたブラックユーモアある感じで面白かったです。
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アニメーションのようにコンセプトがある作品ばかりではないですが、アートはコンセプトがあって初めて作品になるってことを改めて感じた展示でした。そのため、正直作品ごとによって作風が異なるので、彼らしさを見出すことは今回の展示だけではできませんでしたが、作品に彼らしさがないのがらしさ、なのかもしれませんね。

では、では

LOSE YOUR MIND-ようこそダークなせかいへ
会期:2017年10月14日(土)- 2018年1月21日(日)
開館時間:9:30-18:00
休館日:月曜日
会場:水戸芸術館現代美術センター
   茨城県水戸市五軒町1-6-8