こんにちは、あーとさんぽぽん(Artsanpopon)です

今回の、オススメのアート関連映画第二弾は‥🎟

【 ハーブ&ドロシー 】(原題: HERB & DOROTHY)です!
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昔一度みたことがあった映画でしたが、実は前回は途中で観賞を断念‥。理由は話の展開に抑揚がなく、淡々と進む感じが眠気を誘った感じした(笑)ただ今回はきちんと最後まで楽しく観れましたよ!バンザイ!

さて、多くの方が映画の感想を書いていますが、一応概要を。

【作品概要】
ごくごく一般的な家に住む、ごくごく一般的な所得層のアートコレククターの夫婦、ハーブ(夫)とドロシー(妻)にクローズアップしたドキュメンタリー映画。そして4,700点以上に及ぶコレクションを、最終的にアメリカの美術館に無償で寄贈するまでの流れを描いています。

私がこの映画から感じたことは、以下4点です。

1. アートコレクションはお金持ちだけの趣味ではない
2. 自分なりの基準を決めればコレクションを楽しめる
3. 現代アートの醍醐味は、やはりアーティストに会いに行って、直接話ができること
4. コレクションすることは、アーティストを応援する事につながる

1. アートコレクションはお金持ちだけの趣味ではない
夫妻の職業は、郵便局員と図書館司書。確かに二人には子供がいなかった分、お金をアートに余分に回せたということはあったと思いますが、総じて平均的な所得だと推察されます。ただ、あくまでも彼らは第一アートにお金を使うことを優先して、生活している様子が映像から読み取れました。(ハーブの収入はすべて現代アートの蒐集に費やされ、ドロシーの収入は生活費に当てられたようです。)
2. 自分なりの基準を決めればコレクションを楽しめる
彼らのコレクションの基準は、

『給料で買える値段であること』
『自分たちのアパートに入るサイズであること』
『実際に自分の目で作品を見てから決めること』

といった感じ。時間をみつけてはギャラリーのオープニングはもちろんのこと、アーティストのスタジオに足を運び、彼らから生の声を聞いて、作品を食い入るようにみつめている二人の姿が印象的でした。手間のかかることだと思いますが、彼らにとっては自然なことのようで、「実物の作品をみたい!」「アーティストと話をしたい!」という彼らの純粋な気持ちからの行動のようでした。やはり、本当に好きなことは自然に続けてしまうこと!、とでも言いましょうか(笑)

ですので、作品購入の前に自分なりの基準を決めることはもちろんですが、自分自身もたくさん作品をみて目を肥やし続け、作品理解を深めるために文章化し、アーティストについて調べ、アーティストと話し、自分の部屋に作品を飾るならどれがいいかを考えながらみてみる、といったことを続けることが大事だと思いました。何事も積み重ねですね。

3. 現代アートの醍醐味は、やはりアーティストに会いに行って、直接話ができること
これは私が現代アートが好きな理由の一つですが、改めてその通りだなと思うとともに、最近できていないな、と反省しました。ギャンバル、私!
4. コレクションすることは、アーティストを応援する事につながる
アートコレクションに限りませんが、「買う行為は選挙だ」と言う人のことを思い出しました。日頃一体自分が何にお金を使っているのか、その購入は購入物あるいは製作者に納得したものなのか、を毎回自分に問いかけ、購入に進むことの積み重ねだということ。その意味で、ハーブ&ドロシーは製作者の考えに納得、共感した場合に、アウトプットである作品を購入しているのだと思いました。そしてそれが、次の製作に繋がっているということ。
‥‥

ここまでは映画の良かった点ですが、一点だけ二人の行動に共感出来かねないと思ったことがありました。それは、ギャラリストの方が映画内でコメントしていたのですが、二人は常にアーティストから直接作品を購入していたということ。中には、ギャラリーを介さず購入する場合もあったと。そのため、通常価格より抑えめの金額で作品を入手している場合もあった、ギャラリーの存在を否定されたようだ、との声も収められていました。最終的に自身のすべてのコレクションをすべて無償で美術館に寄贈した二人ですが、購入の面でフェアではない部分があったのかな、と思いました。ただ一方で、アーティスト達との信頼関係を構築していたからこそ、そのようなことができたのかもしれません。
最後に、印象に残ったフレーズは、

「金がものを言うと、アートは沈黙する」
「コレクションの一部を手放すことは、作家が絵の一部を切り取って売ることと同じだ」

では、では